親守詩とは、子が5・7・5の上の句を、それを受けて親が7・7の下の句を作る、親子のキャッチボールの短歌のことをいいます。卒業に向け、9年間の補習校生活を経た現在の思いを、中学三年生と保護者の方々が、それぞれ親守詩に込めてくださいました。一つ一つ、味わっていただければ幸いです。それでは、お読みください。国語専任:小嶋亜希
・毎週の 楽しみなのだ 十分休憩
みんなを繋げた 九年間
・まいしゅうの 漢字テストは むずかしい
9年間も よくがんばった
・朝早い 行きたくないが あと少し
江藤家総出の カウントダウン (江藤咲愛)
・勉強が 多かったけど 頑張った
前の晩だけ 睡眠削り (篠原美蘭)
・おもしろい 九年間を 「ありがとう」
この瞬間(とき)だけは 別れの言葉 (Y.O.)
・やっとできる 次の土曜日 ねぼうします
ダラダラするのは やめてほしい (江藤禄太郎)
・朝七時 弟龍豪 さけぶ声
土曜の朝も ぜっこうちょう
・土曜日は 朝から勉強 大変だ
全部で9年 がんばりました
・つらかった 9年間が もう終わる
学んだ知識 我が身を助く (上田波音)
卒業の言葉
「未来に向かって」 板東 龍輝
国語の本を楽しそうに読んでいる兄にあこがれて、「私も本を上手に読めるようになりたい!!」と思って行く事を決めた、補習校。
入学式の日、ピンクのランドセルを背負いフリル付きジャケットとチェックのスカート姿の小さな私が写真の中で笑っていました。あれから九年!私、がんばった。
土曜日、お友達の誕生日パーティーにさそわれてもいつも途中参加。現地校の友達は、土曜日も日曜日も、のびのび遊べるのに、私は日曜日も宿題やってるし…。一週間、勉強しない日が一日もない。でも、眠たい目をこすりながら補習校に来たらそこでしか会えないクラスメイトにやる気をもらい一緒に知らない事を学ぶのがうれしかった。先生方が丁寧に教えてくださる新しい言葉、物語、数式。あっという間に終わる学びの時間。けれど楽しいことばかりではありませんでした。
それは、私の前にようしゃなく立ちはだかる宿題。宿題をやりながら、「なんで補習校に行きたいなんて言っちゃったんだろう?本なんて家で読めればいいし!」と思う事もありました。父とにらめっこし、時には泣きながら挑んだ算数と数学の宿題。九九は兄弟みんなで大合唱。いつも私が間違う所を弟が先に、覚えてしまってくやしかったり、図形が苦手な私に兄がレゴを使って教えてくれた事もありました。苦手だった数学も学ぶことが楽しくなり現地校ではスペシャリストのクラスに入る事が出来る様になりました。
国語の本読みもどんどん漢字が多くなってきて辞書との戦い。その戦いが終わったと思ったら、母のきびしい、発音、発声、抑揚指導。日記の直しは最低でも二回。漢字は四年生までの赤ねこの時は楽しかった。線をなぞってきれいに書けたと喜んでいられた。
でも、がんばった事は、一年一段、合計九段、私の脳の引き出しをいっぱいにしてくれま
した。その他にもクラスのみんなや先生との会話、新年会、おもちつき、遠足、三回かわった校舎。沢山の思い出のつまった引き出しもあるので何段になるか自分でもわかりません。
補習校に長く通っていると、どうやって乗りこえてるの?モチベーションは?みたいな事を聞かれる時があります。兄や弟が、がんばっているから私も負けられないという気持ちもありましたが、一番は日本が好きだからです。自分は日本人ではあるけれど日本に住んだ事はないので、文化や考え方、言葉をもっと知りたいと思ったからです。国語の教科書に紹介されている方達の話を読み、人を知り、人に寄り添うことの出来るようになりたいという気持ちが芽生え、将来の目標である心理学者へとつながっていきました。
今は、それに向かってさらなる引き出しを増やしていきたいと思います。
最後になりましたが、中学卒業までがんばれたのは、補習校にかよわせてくれ、宿題のサポートをしてくれた父と母のおかげであり、日本語の読解力の乏しい私にわかりやすく授業をしてくださった先生方のおかげであり、一緒に学ぶ、楽しさをわかちあえた、友達みんなのおかげであり、安心して学ぶ事の出来る環境を整えてくださった安全委員のみな様のおかげです。九年間、本当に本当にありがとうございました。

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